「NIPPONIA 小菅 源流の村」は、人口700人ほどというスケールの村で、村民により村に迎え入れられ、小さな村内の風景を楽しみ、村で採れた新鮮なものを味わい、村人の一人のように滞在するというコンセプトのホテル。その客室となったのは、昔から村民の集う場だった養蚕農家のお屋敷だった。150年もの歴史をもつ古民家を、新たに人が集う場として生まれ変わらせ、末長く地域と共にある存在となるにはどのようにすれば良いのか、チームで議論を重ねた。空間ディレクターとの協業のもと、コンセプトカラーを「炭の濃淡と差し色のオレンジ」と設定。炭づくりは昔は小菅村の基幹産業であり、今も続く厳しい山間の暮らしにとっても炭や薪は非常に身近なもの。そんな村の静かなシンボルとも言えるモチーフに、熾火のようにじんわりと地域をあたため、燃え上がることも消え絶えることもなく、長く地域に寄り添うホテルの精神を託した。山尾三省の詩「火を焚きなさい」に描かれた心持ちを保ち続けたい、という事業主の方の言葉から、コンセプト設計を行っていった。
NIPPONIA KOSUGE
2020 Shinjuku, Tokyo
Client. Satoyume Co.,Ltd.
Creative Direction
& Graphic Design & Illustration. Naoko Tatsumi
Space Design. STUDIO SKETCH
Photograph. Kazuhiko Hakamada
Copywriting. Naoko Tatsumi
Web Design. THA LTD.
https://nipponia-kosuge.jp